KYOEIDO WINE

エチケットとアート

2022

干田正浩(建築家)

1983年東京生まれ。2006年より写真家として活動。
アフリカやアジアの集落、都市をリサーチしながら、 20ヶ国以上の都市を撮影。
2009年、工学院大学大学院 工学研究科建築学専攻を修了。 国内外の設計事務所を経て、2016年干田正浩建築設計事務所設立。
2022年株式会社MHAA建築設計事務所に組織改編。 店舗から住宅、ワイナリーなど様々な建築を手掛ける。
http://www.mhaa.info/
https://www.instagram.com/masahiro.hoshida/

K22AK_DD / CL / AK

drawing230715
エチケット3作目は現在計画中のプロジェクトのドローイングを合わせたコラージュ作品にしました。
それぞれの建築の断面図をもとに土や風、光、自然の流れをドローイングにしています。
ワインも建築も、自然が根底にあるということを考えながら描いています。

K22HR_DD / RZ

COFFEE COUNTY TOKYO
今回のワインのリリースとほぼ同時にオープンする「コーヒーカウンティ」東京店の平面図である。
以前設計した「コーヒーカウンティ」久留米本店は、コーヒーの地エチオピアのイメージで室内を土で仕上げた。
今回は土を固めて焼いた、レンガを主題とした。
敷地となったビルの平面が多角形のいびつな形だったため、三次スプライン曲線による不定形な楕円の平面とし、雑居ビルの中に別の世界を入れ込むような構成としている。
床やカウンターの腰壁などに採用したレンガはこの店舗用に特別に焼いてもらい、開口部にはソリッドな塊のガラスレンガを使用した。
晴れた日にはガラスレンガを通して屈折した光が、床のレンガやカウンターの質感を浮かび上がらせる。
日々刻々と変わる表情の中で、流れる時間を感じてほしい。

今回、エチケットは下地の色を変えて2種類作りました。DDには白地、RZには薄いピンク色のエチケットを貼っています。RZのエチケット下地の色は、「コーヒーカウンティ」東京店のために焼いたレンガ色を薄くしたものです。

K22FY_SR / DD / CL

とどろき酒店
福岡市博多区の南側、三筑に位置する酒屋「とどろき酒店」の設計図である。この三筑という土地は古墳時代から弥生時代の遺跡が多数発掘されており、水田や集落跡から多量の土器や、道具類が出土している。
アプローチの道からまず見えてくるのが6m吹き抜けのギャラリーで、この建物の顔として現れる。古代の洞窟のような、教会のような有機的な3次元曲面の土の空間は、リサーチの際に着目した弥生の遺跡や、土器の曲面をサンプリングし形状を決定した。左官は日田土をベースにしていて、一度塗り上げてから掻き落とすことで土器のような質感をだしている。今回のエチケットではこのギャラリー部分の平面図と断面図を重ね合わせることで、2次元ながら空間を表現した。ワインも建築も、そのものの背後にある風景や物語を想像しながら楽しんでもらえると嬉しい。

2022年のテーマは「建築」です。今回は、共栄堂ワイナリーの建築を手がけた建築家 干田正浩(ほしだ・まさひろ)さんの代表建築を、その建築の背景や思考も含めてエチケットで表現する挑戦をしています。エチケットで体験できる空間を、ワインとともにお楽しみください。